業務効率化のススメ

~ とにもかくにも、まずは見える化から ~

戦略総務のススメにも記したように、戦略総務のテーマを実現するためにも、総務自身の自己改革が必要となります。
目の前の雑務に翻弄されていては、プランニングする時間がとれないからです。
総務の自己改革、まず求められるのが、業務の見える化です。
そもそも、どんな仕事があるのか、それを誰が対応しているのか、どのような方法にて処理しているのか、全てにわたり、見える化しておかないといけないのです。

総務部門アンケート。総務の課題第一位は?

『月刊総務』が実施した全国総務部門アンケート。
現役の総務課長クラスが、現状の課題について赤裸々に回答してくれました。そのアンケートの中に下記の設問がありました。
「総務の課題の中で最優先のものは何ですか?」、というものです。

何だと思いますか?

第一位は、「業務の明確化・効率化」でした。
ちなみに第二位は「無駄・コスト削減」、第三位は「社員研修・教育」でした。

この「業務の明確化・効率化」は何を意味しているのでしょうか?
二つの意味があると分析しました。

一つは、他の部門から何をやっている部門であるか、明示したい、理解して欲しい、という課題です。
他の部門から見れば、総務部がどのような業務をしているか皆目分からないでしょうし、何を目的としているかも判然としないはずです。
行っていることが分かり、目指すべき目的も理解できれば、それに対しての評価もできますし、協力もしやすいでしょう。

しかし、現状では何も分からず、結果として評価も協力もしづらいということになります。
ですから、総務部としては、自らが行っている業務を見える化し、その業務がどのように業績貢献に繋がっているかを明らかにし、そしてそれをアピールする必要があるでしょう。
そうなれば、経営も現場も総務に関心を寄せるでしょうし、期待もするでしょう。関心を持たれ、期待されれば、総務としても張り合いが出てくるでしょう。
待っていても知ってもらえることはありません。積極的に自らの業務をアピールすることが大切です。

総務部内の業務見える化が効率化の必要条件

もう一つの側面は、総務部内部でも、各担当がどのような業務を抱えているのかが見える化できていないということです。
総務ほど属人化された部門はないでしょう。
Aさんが担当している業務は、Aさんが会社を休むと誰も対応できない、ということがごく普通に、それも当たり前のようにあります。
そして、各人が持っている業務そのものが、各人の存在意義になっている場合もあり、なかなか見える化をしてくれないこともあるでしょう。

見える化できなければ、効率化、標準化は絶対に不可能です。アウトソーシングさえもできはしません。
そのこと自体に総務自身も気づいてはいるのですが、目の前の仕事に追われ、見える化がなかなか実現できないのが実際のところでしょう。
そのことを課題として総務も考えている結果が、このランキングに表れています。

各自の業務の明確化、それによる効率化、標準化をすることで、リソースに余力ができ、その余力でもって、「戦略総務」の実現が可能となります。そうなれば、明らかな業績貢献に結び付くはずです。
そのように総務としても考え、この課題をまずは解決したいと思っているのではないでしょうか。

見える化したその先にあるものとは?

総務業務を見える化することは目的ではありません。
見える化した後は、その業務をどのように効率化するかを考え、実践しなければなりません。

その先の在り方として、一つにはIT化があります。
今まで手作業で行っていた作業をシステム化することです。
ワークフローの導入など、業務の流れをそのままITに置き換えてしまうのです。書類が無くなったり、いまどこまで業務が進んでいるかが一目瞭然となります。

総務だからと言って、システムから逃れることはできません。
不案内だとしても、世の中の流れは待ってはくれません。積極的な情報取集が必要です。
最新技術、それを使った最新サービスの情報に敏感となり、自社で活用できるかどうかの検討が必要です。
そのためにも、どのような業務がどのように進められているかの見える化が必要なのです。

もう一つの在り方として、総務業務のアウトソーシングがあります。
外でできることは積極的に外の専門会社に委託するのが、グローバルの流れです。
社員でしかできない仕事に注力すべきです。まさにその仕事が戦略総務の仕事となるからです。
アウトソーシングするにも、総務業務が見える化していないと、どの業務をアウトソーシングできるか判然としませんし、アウトソーサーも見える化されていない業務は受けてくれません。
 

とにもかくにも、総務の自己改革には、業務の見える化が絶対に必要なのです。
総務の「見えない、測れない、改善しない」この総務の悪弊からぜひ脱却して欲しいのです。

■アウトソーシングのメリット
1.コア業務への経営資源の集中化
2.自社にない知識やスキルの活用
3.コストの低減
4.コストの変動費化

■アウトソーシングのデメリット
1.コントロールができなくなる
2.社員の余剰が生じる
3.情報漏えいなどのリスクが高まる
4.緊急対応がしにくくなる

豊田健一(とよだ・けんいち)
『月刊総務』編集長。早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』の編集長を務めると同時に、一般社団法人ファシリティ・オフィスサービ ス・コンソーシアムの理事や、総務育成大学校の主席講師も務める。

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