2016.09.05

過重労働解消キャンペーンの主な実施事項と企業で取り組むべき対策

業務プロセス改善顧客満足・社員満足度向上

平成26年から毎年11月は「過労死等防止啓発月間」として、「過労死」という国際的にも大きな社会問題に国として集中的な取り組みが実施されています。
この取り組みは、「過労死等防止対策推進法」(平成26年11月施行)に基づき定められた「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(平成27年7月24日閣議決定:以下、大綱という)に沿って実施されており、厚労省では、この期間に「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働の抑制等、過重労働解消に向けた集中的な周知・啓発等の取り組むとともに、重点監督を実施しています。

過労死等の定義(過労死等防止対策推進法)
◇業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
◇業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
◇死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害

1.過労死等と長時間労働時間の関連性

大綱では、「過労死等は、その発生要因等は明らかでない部分が少なくなく、第一に実態解明のための調査研究が早急に行われることが重要」としながらも、「過労死等防止は喫緊の課題であり、過労死等の原因の一つである長時間労働を削減」するため、当面は「調査研究の成果を待つことなく」対策に取り組むとされています。
週労働時間49時間がメンタルヘルス低下のボーダーラインであり、長時間労働になるほど、脳血管疾患・心臓疾患も発症リスクが増大するという研究結果もあり、医学的知見が得られているとされています。つまり、長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因であることは間違いなく、過労死等防止のために取り組まねばならない必須の課題であることになります。

2.労働時間の現状と課題

大綱で定められた具体的な目標は、以下のとおりです。
・将来的に過労死等をゼロに
・平成32(2020)年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下
・平成32(2020)年までに年次有給休暇の取得率を70%以上
・平成29(2017)年までにメンタルヘルス対策に取組んでいる事業場の割合を80%以上

この目標に対し、現状を統計に基づいて比較してみましょう。

自殺者のうち、6,782人が「被雇用者・勤め人」、自殺の原因・動機が特定されている者のうち「勤務問題」が原因・動機の一つとなっている者は2,159 人 (内閣府・警察庁「平成27 年における自殺の状況」)
労災保険給付の新規受給者数は、平成26年度は約62.0万人
脳・心臓疾患事案の労災請求件数は763件(前年度比2.7%減)、精神障害事案の労災請求件数は1,456件(前年度比3.3%増)と過去最多を更新(厚労省)
平成27年の週60時間以上の雇用者の割合は8.2%、前年に比べて0.3ポイント低下したものの、依然として1割弱を占める(総務省「労働力調査」)
年次有給休暇の取得率は平均47.6%、正社員の16%が1日も取得していない、また、年次有給休暇をほとんど取得していない者は長時間労働者である比率が高い(厚労省「就労条件総合調査」)

3.過重労働解消キャンペーンの重点監督で確認する事項

重点監督の対象となるのは、労働基準監督署やハローワークへの相談をもとに、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業や、過重労働による労災請求があった事業場が中心となります。重点的に確認される事項は以下のようになっています。

◇時間外・休日労働が36協定の範囲内か
◇賃金不払い残業がないか
◇不適切な労働時間管理をしていないか
◇長時間労働者への医師による面接指導等、健康確保措置が確実になされているか

この確認事項のすべての項目が、労働時間管理にかかわるものです。適切な労働時間管理は企業として取り組まなければならない重要課題であることは間違いありません。
労働時間をリアルタイムで把握し、36協定超えや、長時間労働になる前に労働者本人と上司、人事労務担当に注意喚起できるようなシステムであれば理想的であると言えます。

図1.労働時間管理のポイント

4.働き方改革の実現につながる労働時間管理

「ニッポン一億総活躍プラン」では、「最大のチャレンジは働き方改革である」とし、長時間労働が多様な働き方や女性活躍や少子高齢化対策の阻害要因とされ、国として取り組む最重要課題と位置づけられ、法改正や労働基準監督署の指導に力をていれていくとされいます。 適切な時間管理を行うことで、客観的な分析のための数値が得られます。その数値をもとに長時間労働対策に結び付けていきましょう。 1年、1ヵ月、1日の時間帯ごとの業務の繁閑に合わせ、人員配置を見直す、労働者ごとの年次有給休暇の計画的付与を取り入れる等の対策も考えられます。 年次有給休暇の計画的付与や36協定については法改正も予定されています。今後の法改正への対応も含め検討されるとよいでしょう。

図2.長時間労働をめぐる現状

リコージャパン取扱開始製品「勤怠管理サービス」のご紹介

株式会社オービックビジネスコンサルタント『OMSS+ 勤怠管理サービス』
場所を問わないマルチデバイスに対応した勤怠管理システムで、勤務情報は
全てデータ化され自動集計。利便性と効率性を徹底した勤怠管理サービスです。
資料をダウンロードし、ご覧ください。